イギリスで6月の話題と言えばEU離脱の国民投票だったのですが、
アイスランドで6月の話題と言えば
サッカーのEURO 2016でした。
今年のアイスランドはすごかったんですよ!
ワールドカップだってオリンピックだってほとんど見ない
スポーツとは全くご縁のない私が
こんなにサッカーの試合に注目したことがあっただろうか!?
サッカー自体はアイスランドでも人気スポーツで
少年がやるスポーツと言えばサッカーですし、
30人に1人がスタジアムで観戦しているそうで、
観戦率は他国よりもダントツで高いそうです。
(それは単に他に娯楽がないからかもしれませんが)
しかし小国アイスランド・・・人口33万人の国ですから、
当然サッカーだって選手層はそんなに厚くありません。
プロのサッカー選手も大体が兼業選手です。
監督のヘイミル・ハルグリムソン(ハットルグリムスソン)も監督と歯科医を兼業しています。
そんなわけで、EURO 2016もワールドカップもずっと予選敗退。
前回の2014年に初めて決勝トーナメントに進出を果たしました。
そして迎えた今回。
●6月14日 ポルトガルと1-1で引き分け。
引き分けだったので、私も注目してなかったのですが、
優勝候補のポルトガルと引き分けたということで
Facebookではアイスランドが大盛り上がり。
実際、ポルトガルが優勝したんですね。(今、調べて知りました)
●6月18日 ハンガリーと1-1で引き分け。
ここでも引き分け。Facebook上でも対して盛り上がらず。
このときの私は試合をしていたことすら気付いてませんでした・・・。
●6月22日 オーストリアに2-1で勝利!
一気にFacebookの私のタイムラインがアイスランドの勝利で埋まりました!
私は友達とライオン・キングのミュージカルを観た帰りで、
夢見心地でFacebook開いたら大変なことに!
これで決勝トーナメントに進出を果たしたということもあって
アイスランドは大盛り上がりでした。
次はイングランドと対戦ということで、ロンドンでもアイスランドの話題がチラホラ。
Facebookでは試合前に1958~1976年の
タラ戦争を引き合い出すほどの期待っぷり。
ちなみに、タラ戦争とは漁業権を巡って起こったアイスランドとイギリスの紛争で、
最終的にはイギリスが大幅に譲歩する形で終結しました。
同時代の冷戦Cold Warをもじってタラ戦争Cod Warと呼ばれたそうですが、
実際は国交断絶には至らなかったので、戦争Warではなく紛争Conflictなんですよね。
そんなわけで迎えたイングランド戦。
●6月27日 イングランドに2-1で勝利!!!!!
アイスランド勝っちゃいました!勝っちゃいましたよ!
その直前にイギリスで決まったEU離脱を受けて
Brexit Vol.2(イギリスのEU離脱第2弾)なんて文言も飛び交ってなんて不謹慎!
(Brexit = Britain Exit・・・イギリスのEU離脱を一言で表す造語)
と思いきや、あとで見たらイギリスの新聞でも同じこと言ってました(笑)
でもしばらくはFacebookのロンドン関連のタイムライン上に
サッカーの話題は上りませんでした。
試合前まではサッカーの話してたのに、すぐさまウィンブルドンの話に切り替え。
うーむ、こうしてイングランド人は負けたことをなかったことにしてきたのかしら?と思ってします。
しばらししてから兼業歯科医の監督チームに負けるなんて!って記事が上がってました。
ちなみに語学学校の先生はアイスランドに負けたことを
あんな小さな小さな島国Tiny tiny islandに負けるなんて!って嘆いていました。
でも先生、アイスランドはそんなに小さくないんです・・・。
グレートブリテン島(209,331km2)の半分くらいの面積(102,828km2)なんです。
ヨーロッパではグレートブリテンの次に大きい島なんです。
アイるランド島(84,406km2)よりは大きいんです。
連日の勝利を受けてアイスランド航空ではナプキンにこんなメッセージが。
Did you know that Iceland is the smallest nation to qualify for the European Championships?
Their journey has not been as smooth as yours.
「アイスランドが、ヨーロッパのサッカー決勝トーナメントに進出した
最も小さい国だって知ってました?
彼らの旅は、(このアイスランド航空を利用している)あなたの旅のように
順調ではなかったんです。」
●7月3日 フランスに2-5で敗北。。。
準々決勝で負けてしまいました。
タイムラインの落胆ぶりと言ったらなかったです。
でも国中上げて、ここまで来たことを称えていました。
その翌日、アイスランドの選手たちが帰国し、凱旋の様子がライブ中継されていました。
凱旋バスが通るレイキャヴィークの街並みにノスタルジー。
広場について選手が一人ずつ紹介されている最中、イケメンチェック(笑)
そしてキャプテンのアロン・グンナルソンが
大きく手拍子するパフォーマンスと
それに合わせて観客が手拍子するのを見ていたら感極まってきて思わずホロリ・・・。
もちろん、広場にいたのが国民のすべてなわけではないのですが、
(実際、私の友人のアイスランド人はその時キャンプを楽しんでいた模様)
一緒に手を叩くアイスランドの一体感に感動してしまいました。
次の2018年ワールドカップの時は私もあの広場にいたいなぁ・・・。
スポーツに関しては食わず嫌いなところがある私ですが、
スポーツって色々な楽しみ方があるなぁと勉強にもなった今回のEURO 2016でした。